仕事から帰ってチャンネルをまわしている(この表現って、古いのか!?)と、NHKでSONGSをやっていまして、美輪明宏スペシャルでした。
その中でも最後。
「老女優は去りゆく」だったかな。
それをうたっておいででした。
私にとってそれは初めて聞く歌で。
ちょうど、落ち目になったところから「それでもわたしはやる」というような、腹を括ったところから。
最初は、へえ、と思ってなんとなく聞いていたのですが。
老いゆき老婆になった件になって、ふっと美輪さんの歌声も老婆になり。
すごい、とひきつけられました。
最後の舞台を歌い上げるところは力強く雄々しく。
「出ていくまで明かりは消さないで」と言う舞台を降りたところは老婆らしく。
そして踵を返して奥へと出ていくさまは、まさに老婆の背中で。
しかもその背中は明らかに何かを語っていて。
切ない、とか、おおよそそんな言葉ではかたりつくせない感情。
これが感動かもしれない。
わたしがそのステージを見ていたら、間違いなくスタンディングオベーションをしたいと思った。
これまで、立って拍手なんて、本当に周囲に合わせてやるくらいで、自ら一人でも立ち上がってやりたい、という感動はなかった。
テレビなのに。
途中から、なのに。
美輪さんに、いや、去りゆくあの老女優に、心から賛辞の拍手を贈りたい。
そこにいない自分が悔しいほど。
美輪さんはすごい。
本当にすごい。
悲しいとか、嬉しいとか、感情を引き出される「感動」は味わったことがあるけれど、
心を揺さぶられる「感動」を、しかもテレビで揺り動かされたのは初めてでした。
美輪さんはすごい。
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