2009年10月14日水曜日

美輪明宏さんはすごい

仕事から帰ってチャンネルをまわしている(この表現って、古いのか!?)と、NHKでSONGSをやっていまして、美輪明宏スペシャルでした。

その中でも最後。
「老女優は去りゆく」だったかな。
それをうたっておいででした。


私にとってそれは初めて聞く歌で。
ちょうど、落ち目になったところから「それでもわたしはやる」というような、腹を括ったところから。
最初は、へえ、と思ってなんとなく聞いていたのですが。


老いゆき老婆になった件になって、ふっと美輪さんの歌声も老婆になり。

すごい、とひきつけられました。


最後の舞台を歌い上げるところは力強く雄々しく。
「出ていくまで明かりは消さないで」と言う舞台を降りたところは老婆らしく。
そして踵を返して奥へと出ていくさまは、まさに老婆の背中で。
しかもその背中は明らかに何かを語っていて。
切ない、とか、おおよそそんな言葉ではかたりつくせない感情。

これが感動かもしれない。

わたしがそのステージを見ていたら、間違いなくスタンディングオベーションをしたいと思った。
これまで、立って拍手なんて、本当に周囲に合わせてやるくらいで、自ら一人でも立ち上がってやりたい、という感動はなかった。

テレビなのに。
途中から、なのに。

美輪さんに、いや、去りゆくあの老女優に、心から賛辞の拍手を贈りたい。
そこにいない自分が悔しいほど。


美輪さんはすごい。
本当にすごい。


悲しいとか、嬉しいとか、感情を引き出される「感動」は味わったことがあるけれど、
心を揺さぶられる「感動」を、しかもテレビで揺り動かされたのは初めてでした。


美輪さんはすごい。

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