2010年5月6日木曜日

十二国記 「風の万里 黎明の空」

DVD第三弾!!
陽子が景王になった「月の影 影の海」の後の話です。
主人公は三人の少女。
・・・一人は陽子なので、少女と言っていいのか・・・←殴られる

一人は、明治・日本の貧しい農家に生まれ、蝕によって十二国の世界にきてしまった大木鈴。
一人は、芳国での王宮暮らしから一転、政変により市井の奈落へとその身をおとしてしまった祥瓊。
そして、景王となった陽子は、日々の政務に、しきたりに、そして自分自身に戸惑っていた……。
それぞれに違う境遇に育った3人の少女たちは、やがて数奇な運命に翻弄されながら、激動の慶に出逢うのであった。


以下、ネタばれです


とにかく鈴がむかつきます。
「私はかわいそう。わたしが一番かわいそう」を全面的にアピールする女で、完全に自己中です。
もう本当にみているだけで腹立たしい
清秀(だったかな)くんとの出会いと別れが、いきなりそこまでこいつの価値観変えるかいな、と思うくらいに突っ走る女。
できることなら、関わりあいになりたくないタイプです

そして祥瓊。
些細な罪でも次々に民を死刑にし、恐怖政治をしいたために、天命を待たずして臣下に討たれた芳国の王の娘。
蝶よ花よとそだれられ、外のことも何も知らずに育つのは当たり前で。
だから、討った月渓も、彼女だけは命を助けたのだろうけど。
だけど、公子としての責任を果たさなかった彼女の罪は重い。
現実に耐えられず、だんだん歪んでいく彼女がそれを思うのは、かなり後のことにはなるのだけど。
楽俊に出会うことで、初めて人から「意見」されたんじゃないかな、と思います。そしてそれを受け入れていく中で、自分が「そうしてこなかった」ことに気付く。
その祥瓊の「強さ」がよいと思いました。


陽子は、過去の卑屈な自分に戻ってしまいそうな自分を断ち切るために、市井に混じることを決めます。
またもろもろありますが、なんでしょう、景麒と仲悪くしているところがとてもおかしい。←ひどい
客人としてやってきて「どっちも真面目なんだよな―」と言い放つ延麒、最高です
悩む陽子に、比較的マジメにこたえる延王、残念です

今回は、他の国の王様や麒麟も出てきました^^
才の国は、王様がおばあちゃんなんで落ち着いて見えますが・・・なんだろう采麟がとってもおとなしいからか、不安定に見えます。
恭国は、とても元気のいい王様ですね~。
幼い姿なので、とても小生意気に見えますが(事実そうなのだろうけど)、行っていることは正論で、意図もはっきりしていて、そしてなにより、臣下に対しても正しく慈悲も持っているというところが、なかなかお気に入りです。
だけど、彼女もあまり近くにいない方がいいなあ・・・


最後の、麒麟に乗る陽子はとてもかっこよかったです
景麒の「こんな血なまぐさいところに…」という愚痴を「すまない 我慢してくれ」と微笑んで流す陽子も、それに「我慢いたしましょう」とさっくり従う景麒も、くそまじめな主従がうまくいっているようで、とてもほほえましい


浅野君は、ようやく安息したのでしょう。
したのでしょうが・・・どうにも、ねえ。
切ないというか、もどかしいというか・・・。
ゲームに例えて「敵」とか「フラグ」とか…。そうして現実逃避したい気持ちはわかるし、そうやってなんとか「役割」というか、自分がこの世界にきた「意味」を探そうとしていたんだと思うんですよね。
そうでもしないと、自分がここで苦労していることを受け入れられないと思うし。
それで、ずっと意味を探し続けて、続けて、ようやく最後に見つけたと思ったのに・・・。
現実はそうなんだろうし、自分が生きる意味は自分で見つけ出せ、ということなのかもしれないけど、だけど何の意味もなくただ「巻き込まれ」てしまった浅野くんは、とてもかわいそうだと私は思います。
笑って死んでいったのかもしれないけど、なぜ笑えたのか、という描写は不足していたように思います。
それに陽子の言葉…。
この世界に葬るのがよい、というのは、あまり賛成できません。
戻す必要もないのかもしれないけど、浅野君は、最後までこの世界の「異分子」だったと、孤独だったと思うんですよね・・・。
鈴と陽子にしか心を開いてなかったように思えるし、言葉が通じなかったからだけど、いい印象は持ってないままだったと思うし。
どっちかというと、自分のそばに、というニュアンスの方がしっくりきたかな、と思います。


そして今回も延王ですが。^^
今回は残念ながら、陽子の家出の言い訳に使われたくらいでした・・・
あとは楽俊への完全バックアップ状況の確認がとれただけでした・・・
しくしく



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