2010年5月5日水曜日

十二国記 「月の影 影の海」

何年か前にNHKで深夜放送されていました。
そのときはちゃんとは見ていなかったのですが、だんだん「これはすごい」とハマった作品。
でも、ハマったと言いつつ、ちゃんとはやっぱり見れなかった…。新聞とってなかったしね…。
このたび、DVD化を機に一気に購入しています^^


どこにでもいるような平凡な女子高生・中嶋陽子の目の前に突如、金色の髪を持つ「ケイキ」と名乗る青年が現れる。
ケイキは陽子を主と呼び、見知らぬ異世界へ連れて行く。
そこは十二人の王と十二頭の麒麟によっておさめられる十二の国々からなる不思議な世界だった。


というお話です。
原作のファンの方も多いと思います^^
陽子と一緒に巻き込まれて異世界に連れ去られた友人が二人。
杉本優香に浅野くん。
浅野君はほとんど行方不明なのですが、どちらも現代社会の思春期の子たちが陥りそうな「現実逃避」で…。
身につまされます。


以下、ネタばれありです

それにしても・・・。
慶の国の麒麟である「景麒」ですが。
しょっぱなから、あなたが主だと言うその口で命令口調。
「許すといいなさい」とか、舌打ちせんばかりだったりとか。
なんと言いましょう。
できの悪い子を、なんとかしからずに言うこと聞かせようとしている新任教師、ですか?笑
そしてその後、景麒、まさかの戦線離脱(誘拐)!!
その後、最後までほとんど(まったく!?)出てこず!!
最終回がかすかに記憶にあるわたしとしては「あれ? この二人って強いきずなに結ばれた主従関係なんじゃないの??」とすごく突っ込みを入れたくてたまらなかった・・・。
こいつら、一回あったこっきりの主従じゃん・・・。
いいけど・・・。

杉本がかなりせつないですね。
「私が選ばれた! 私の世界はこっち!!」
現実逃避。
すごくこの世界になじもうとしていて、とても前向きだとは思うけど、それは「自分が特別なのだ」ということを肯定しようとしているだけで、普通だった日本での自分を否定したくて、それだけのような気がしてとてもイライラしました。

塙麟も切ない。
ただ王に従うことしかできないその様が、とても切ない。
はかなげで、そしてやはりはかなくて。
ただそこにたたずんでいる麒麟
苛立つことはないけれど、だけどとてももどかしい。
あんな最期しか選べなかったのだろうか
王を裏切れず
だけど王を守りたくて
仁を残したくて
だから自分を殺させて王を殺した
哀しくて、切なくて、悔しくて
もっとできることがあったはず
あったはずなのに

こんな中で、とてもラブリーなのが雁の王と麒麟!
延王尚隆と延麒六太!!!
もうステキ!
延王は大人の魅力で、なのに六太とともにぶっちゃけてるところがたまらなくステキ!
そしてなにより、抱えている「後悔」と、それを今に生かす力がステキ!
失った故郷と、任された人民。
その責任を果たしている男前!!(褒めすぎ?)


景麒救出後は、なんだかトントン終わってしまいましたが、まあ、その部分は物語的には重要ではないのでしょうね。まあ、少女小説だから、戦いの記述を延々とされても、たしかに辛いかも?


しかし、最後に再び、景麒が陽子に「天命を持って主上とお迎えする」をやったシーンは、とても感動しました。


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